クリパル・ジャパンのプログラムは、どこから学び始めてもよいようにデザインされており、それぞれのペースで通うことができます。このインタビューでは、生徒の皆さんの体験談をご紹介していきます。
今回は、集中コース「クリパル・ステージ1」「2」「3」に連続で参加され、クリパルヨガへの理解と興味をさらに深められた、という松田朋之さんにお話を伺いました。
- クリパルヨガと出会ったきっかけを教えてください。
- 2012年1月に近所のヨガスタジオに通い始めました。そこにYoga of Lifeでも教えておられる、ユカ先生(今村優佳)のクリパルヨガのクラスがありました。それがクリパルヨガとの出会いです。
- クリパルを続けようと思った理由は何だったのでしょうか?
- 印象的な体験があったからです。表現が難しいのですが、心が澄み切る、というか、体が透明になるような、そんな体験をしました。
ユカ先生のクラスでは、ポーズをキープすることも多く、体力的には結構チャレンジでした。でも、最後のシャバ・アーサナの後、少し静かに座る時間があるのですが、得も言われぬ心地よい体験が何度かあったのです。心のざわつきが収まり、座っている自分を見ているような感覚。まわりの音がただ聞こえていて、それを観察しているような感覚で、他のクラスにはない体験でした。そして、自分にとっていいヨガとは何なのだろうか、ということを考え始めました。 - それ以前にもヨガはされていたのですね?
- 母がヨガをしていたので、子どもの頃からヨガには親しみがあったのですが、自分でヨガクラスに参加するようになったのは、社会人になり、スポーツクラブに通い始めてからです。当初はパワーヨガなどを練習していました。
でも、クリパルヨガでの体験後、自分に合っているのは瞑想的なヨガなのでは、と考えました。その後、ヨガの経典『ヨーガ・スートラ』で、「ヨガとは心の作用を静めることである」と定義されているのを見て納得し、そこからだんだんとクリパルのクラスが好きになっていきました。 - 集中コース「クリパル・ステージ」を1〜3まで連続で受講されましたが、感想を教えてください。
- 印象深い経験の一つは、シェアリングです。ヨガポーズやワークの後に、自分の体験を話し、また他の人の体験を聞きます。これが、普通の意見交換ではなく、話し手は主観に重きを置いて話すこと、そして聞き手は、良し悪しの判断をせずに、ただ聞くことが求められます。最初、ヨガに来たのだから、黙々と体を動かしさえすればよいのに、なぜよく喋らされるんだろう?と思いました。でも今はそこに、このクリパルが大切にしていることの一端が現れているような気がします。
シェアリングは、一見簡単そうで、とても難しい。日常の会話では、正しいか間違っていないか、相手はどう思っているのだろうか、と瞬時に判断しています。でも一旦、その習慣から離れて、耳を傾ける練習を繰り返しました。他の人が話すのをただ聞いていると、どんな人の体験も興味深く、その人に興味が湧いてきました。場の雰囲気が変わったと感じたこともありました。 - シェアリングは、日常生活にも役立っていますか?
- プログラムが終わって日常に戻った現在、誰のどんな意見に対しても、耳を傾けて聞くようにしています。それだけで、日常は違ってくると感じています。
判断せずに相手の話をじっと聞く「傾聴」は、自分も相手をも包み込む大きな意識を養う訓練ではないか、と考えています。「判断する」とは、文字通り「わけて、たつ」こと。判断しなければ日常生活はできません。でも、それだけでは息苦しくなってしまう。きっと大切なのは、判断しても、同時に繋がっていることなんじゃないでしょうか。
また、下北沢のYoga of Lifeスタジオのあの温かい雰囲気は、シェアリングという知恵から生まれてくるのでは、と思います。 - ほかに集中コース「クリパル・ステージ」で印象深いと思ったことは?
- 「ステージ3」では、ヨガをしながら体の知恵に委ねる時間が何度かありましたが、体に任せて動いていたら、一瞬、秋のすがすがしい青空に飛び出したような直観を得たことがありました。新しい地平線に一歩足を踏み出したような、新鮮な自由な感覚でした。
キリスト教、イスラム教、仏教など、古くからの教えが共通して言っていることは、大いなるものに「委ねる」ことだと思います。「委ねる」というのは、小さなエゴから自由になることではないでしょうか。
クリパルでは「土台を作って、ポーズをホールドし、エッジを探り、委ねる」という順でアプローチしますよね。ダイレクトに「委ねる」へ行かずに、エッジという「試練」を体験したその先に、大いなる知恵に委ねる体験がある、というのが興味深いと思うのです。
正しいとか間違っているとか、他の人と違っていて変だとか、そんなものはどうでもよくて、本当は自由に生きられたらいい。ヨガマットの上で、一瞬でも、自由であることを体験できれば、それは貴重な瞬間で、きっとそこから、人は変わっていくのではないでしょうか。「その人らしくある、あるがままでいる」というクリパルヨガの真髄がそこにあると思います。 - 集中コース参加後、レギュラークラスの捉え方に変化がありましたか?
- レギュラークラスの流れの意味がよくわかるようになりました。クリパル体験を今後より深めたいと思っていますので、週に1回は万難を排して必ずクラスに出るようにしています!
プロフィール
松田朋之(まつだともゆき)さん
30代/会社員。子どもの頃から母の影響でヨガに親しむ。ヨガのクラスに参加するようになったのは、社会人になったのち、通っていたスポーツジムがきっかけ。数年前、近所のヨガスタジオでクリパルヨガに出会う。
2014-10-23
カテゴリ: 私がクリパルを続ける理由