※この記事は、2025年版として新たに加筆・再構成しました。
「なぜ、ディレクターはこんなにも孤独なのか——。」
2009年、日本人ディレクターとして初めて担当したクリパルヨガ教師トレーニング(YTT)。
YTTのプログラムを忠実に進行しながら、自分自身の直感と創造性を生かして、その時々の必要性に応えていく。
生徒側に少しずつ変化の兆しが見え始めたかと思うと、一歩先は未知の瀬戸際に立たされる。生徒もアシスタントも、そして、自分自身も、ギリギリのところで関わり合う学びの3ヶ月だった。
自分1人で行う初めてのプログラムだったこともあり、時には歓喜に、時にはチャレンジに満ちていた。これからクリパル教師になっていく人たちにクリパルの精神を伝える責任。すでに活動しているクリパル教師たちに対して背負う責任。その重みに眠れぬ日々が続くこともあった。ディレクターがこれほど孤独なものだと実感したのも初めてのことだった。
しかし、改めて凄いと感じたのは、30年以上かけて開発されてきたプログラムの内容だ。クリパルのアプローチは、理屈や知識、技術を超えて、教師としての「あり方」を問うものだ。受講生一人ひとりをどこまでも自分自身と向き合わせていくクリパルのアプローチは、ヨガ教師として絶対に欠かせない要素だ。ディレクターとして、「やはりこれだ!」と納得させてくれる。それはきっと、受講生たちが卒業した後の自信にも繋がるだろう。
時には共感しづらい古代の叡智を、日常に落とし込んで納得させてくれるクリパルヨガは、非常に現実的だ。そのYTTプログラムを存分に生かすために、まだまだ自分には経験が必要だ。そんな自分を支えてくれるアシスタントやスタッフに深い感謝をして、たくさんの反省点をバネに、今年のYTTへ向けて心を新たにしたい。
(初出:2010年6月14日)
2025-08-14
カテゴリ: Toshiのつぶやき