奥歯のキャップが取れたので、即、近所の歯科医へ予約した。
「キャップが外れた所に虫歯があるね」と手に鏡を持たされ、
自分の目で確認するように言われた。
すると、「レントゲンを取ります」と言われる。
「レントゲンは撮らないとダメですか?」
「撮らないと虫歯の深さがわかりません」
「この歯はもうレントゲンで撮ったかもしれないですが…カルテには載ってませんか?」
「撮ればカルテに書くのはあたり前です」とイラッとした様子。
カルテをパラパラとめくりながら、「レントゲンを撮ったことはカルテに書いてません」
「違う所で治療したんだから」と投げ捨てるように言われたかと思ったら
「嫌なら他で治療してもいいんですよ」
『うゎっと?』(これ英語です)
自分は若く多感な時期にアメリカで生活をしてたせいか、以前の国際結婚の記憶からか、
未だにこういう咄嗟の反応で心に浮かぶ言葉は英語が多い。
とは言っても、それを声に発したわけではない。
あまりに突然の宣告で唖然としていたら、
「他に行ってください!」と言いながら自分の目の前にキャップが差し出された。
『まいぐっねす!!』(また英語)
英語でも何でもいい、心の動揺を心の中で叫べることに改めて感謝。
次の瞬間、歯科医の姿は消え、一人残されたので、エプロンを自分で外して帰った。
妻と相談してその日の午後に、同じ街の別の歯科医に予約を取った。
「どうしました?」
「キャップが取れました」
「少し虫歯がありますね」と言いながら削り始めた。
わずか20秒程の処置。
「これで虫歯は取れました。このままキャップをつけておきますね」
レントゲンの話は一切なかった。
念のために聞いてみたら
「この程度の虫歯なら削れば取れますから、レントゲンは必要ありません」とのこと。
午前中にかかった歯科医は何だったんだ?
ストレートに疑問を投げかけたことで、結果は相手を怒らせ、自分は惨めな思いをしたが、
不要な放射線と過剰治療から自分の体を守ることができた。
もう少し聞き方を工夫すればよかったのだろうか?
そんな思いはあるものの、あの歯科医の態度が変わるとは思えない。
自分の望みを優先すれば、時には不快な体験もつきものだ。
歯科医院の玄関を出て、「は~」とため息。
さあ、家に帰ろう。
2015-03-25
カテゴリ: Toshiのつぶやき