クリパル単語帳 - 意図(intention)

ヨガを始めるときに意図を持って始めることがあります。英語では「intention」といいますが、もともと「心の中に何かを抱く」という意味があります。達成すべき目標やゴールとは若干ニュアンスが異なりますが、これから行う行為に対する動機や理由に近いと思います。そして、この意図は、自分の心に関心、興味、好奇心を抱かせてくれます。それによって、自分の心には意志と集中が高まり、強い行動力へと繋がっていきます。

例えば、街を歩くとき、自分の興味や関心事には注意が向き易く心も集中します。同じように、「今日のヨガの練習で、自分の興味や関心は何なのか」「自分は何を知りたいのか」といった意図と共にヨガをすれば、同じことを体験していても、そこで起きていることへの集中は高まるでしょう。

どんなことであれ何かをするときには、「それをすることで、どうしたいのか?」というイメージが明確であればあるほど、理解や成長は速まります。また、仮に困難な道程であっても、継続する力になります。そういった観点から、意図を抱くことは、クリパルヨガでもフェニックス・ライジング・ヨガセラピーでも、非常に重要なものとして捉えられています。

クラスの最初に、「自分は何を得たいのか」「練習中にどのように体や心と向き合いたいのか」「クラス終了時には、どんな状態でいたいのか」などと言った、自分なりのヨガへの向き合い方や、動機となる意図を確認するのはそのためです。意図を持ってヨガを練習すれば、教師の指示だけを頼りに体を動かすのではなく、「自分がどうしたいのか」という心の中に意識を向け、その意図と繫がりながら体を動かし、主体的に一つひとつの行為に向き合うことができます。

ときには何の意図も浮かばないかもしれませんが、それでもいいのです。意図とは、論理的に考えることで生まれるものではなく、直感的で体感的なものです。だからこそ、ヨガと通して体に触れる機会を持つのです。

「どうしたいのだろう」「どうありたいのだろう」と問いかけながら、少しづつ、注意深く、体や呼吸の流れに意識を向けてください。体を通した体験の繰返しの中で、しだいに自分がどうしたいのかが明確になってくるものです。

視野を広げてみれば、「人生で自分は何を得たいのか」「残りの人生をどうしたいのか」などと、人生の大きな意図を見つける為にヨガをしているとも言えます。そして、多くの場合、その意図は、すでに自分の心の奥深くに抱かれているものです。ヨガはそれを身体と共に探りに行く精神的な旅路なのだともいえます。

2015-09-30

カテゴリ: クリパル単語帳

 

Mail magazine

クリパル・ジャパンのメールマガジン
「KRIPALU EXPRESS」
ワークショップのお知らせや最新コラムなどをお届けします。
お気軽にご登録ください。

Corporate info