Kripalu Newsletter - バランスを取り戻すためのアーユルヴェーダ

クリパル・アーユルヴェーダ学部の所属教授であるジョン・ドゥイラードに、ストレスの原因についてのアーユルヴェーダの観点と、西洋科学でも明らかになっているストレスと病気との繋がりについて話してもらいました。

ヨガとアーユルヴェーダは、ともにヴェーダの伝統に由来します。ヴェーダとは「真実」や「純粋な知恵」を意味し、この姉妹のような関係の2つの科学は、全体性のために役立つものです。これらは気づきのための基本的なツールで、明晰さを増し、疾病を防ぎ、最終的には個々人が溢れるほどの可能性に到達するのを助けます。

ヨガとアーユルヴェーダによれば、すべての疾病は自己への気づきの欠如に由来すると言われ、それは知性のミス、またはpragnya aparadha(pragnyaは「知性」、aparadhaは「罪」の意)として知られています。知性が誤って、人生の物質的体験での満足を求める方へと引かれた時、純粋意識としての本質を忘れ始めるのです。

ヴェーダ文献には、一般的な知性のミスが3つ挙げられています。執着または依存、欲または意志力の欠如、そしてエゴまたは自己PRです。これらすべては幼少期に愛され、感謝され、認められる必要があることに源を発し、その後、成人期にも持ち込まれます。これらの心理的・感情的な振る舞いのパターンは、マインドを満足させるため、外を見るよう強います。若年期には、子どものサトビックな質(純粋さと愛)は、マインドのラジャシック(刺激的)な質に取って代わられ、外界の情報源からの承認を求めるようになるのです。

この微細な心の過刺激から起こる心理的・感情的張りが、体にストレスとして感じられます。これが緊張を引き起こし、循環を損ない、そしてついには病気という結果になるのです。ストレスは、アンバランスな暮らしや汚れた食生活にもよることもありますが、私たちの体を、肉体的にはぎっしりと詰まらせ、心理的にはぼんやりとさせ、そして感情的には鈍らせます。ストレスがもたらす影響は微細でありながらも、重大であることは、ヨガやアーユルヴェーダで長きに渡って知られていますが、今や、西洋医学でも同様に認められています。

西洋医学では、私たちが見たり感じたり、体験するものが、健康、健全さ、そして長寿に深い影響を及ぼすということをやっと理解し始めたところです。科学は、最も微細な感情的ストレッサーでさえ、発生遺伝的な影響を体に及ぼし、体の生理的プロセスのほとんどを調整する微生物学にも影響力を持つことを発見しています。

ヨガとアーユルヴェーダは、体がバランスを取り戻し、古い感情的なパターンを変革する場として役立つための「高められた状態」を創り出すのを助けます。これらの変革を促す行為がなされれば、新しい神経路が脳に敷かれ、やがては防具が外れるでしょう。古い反応パターンは新しく勇気づけられるものに取って代わり、私たちは満たされ、喜びと豊かさを体験します。それが、私たちの本質なのです。


John Douillard(ジョン・ドゥイラード)
(カイロプラクティック医師、CAP)
自然健康、アーユルヴェーダ、そしてスポーツ医学の分野で世界的に認められる指導者。アーユルヴェーダの健康と豊かさの情報源であるLifeSpa.comの創始者であり、現代科学に古代の知恵を供給する500以上の記事や動画で、アーユルヴェーダが世界中で理解される方法を進化させている。

[クリパルセンター発行 Practice 2015年秋号からの抜粋]

2019-11-28

カテゴリ: Kripalu Newsletter

 

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