Kripalu Newsletter - 自分本来のポーズを発見する

クリパルヨガのアプローチでは、一つのポーズに、一つだけの『正しい』アラインメントというものは存在しないのですが、これは、次のような疑問を呼びます。私たちは自分本来のポーズの表現を見つけた時、それをどうやって知ることができるのでしょうか?

この本質的な問いについて、クリパルヨガ教師であり、ピラティス教師、またアメリカエクササイズ評議会の個人トレーナーでもあるジェイミ・マカーティが語ります。

アライメントの重要性

さまざまなヨガのスタイルで、意志的な体のアライメントの実践について、たくさんの焦点があります。そこで第一に大切なのは、特に初心者に対して、安全性のために必要だという点です。一旦、安全な状態を作り、土台ができた後は、バリエーションや変形については、完全に個人のものとなります。

最初は、正しいアラインメントの感覚をつかむために、ポーズをデモで見たりするなど、外側から見るサポートが必要です。そこから、自分独自のやり方を見つけ、微調整を行い、形のちょっとした手直しができるようになります。個々の『正しい』アラインメントによって体は開き、そしてそこからエネルギー的に開かれていきます。体のエネルギーの経路が開き、またアラインメントが整っている時、私たちはより自由に受け取り、そして与えることができるようになります。それは、私たちと私たち自身との間の、また他者との間の境界をより和らげ、私たちをより慈悲深くしてくれます。

平静心を見つける道

私がポーズの中で満足していて、また体が私自身としている会話に対して十分注意深くいられる時、私の体は少しだけメッセージを送ってくれます。私はここがちょっと居心地よくないんだけど、もうちょっとだけ開くように動ける?今回はもう一呼吸だけブリッジのままでいてはどうかしら?足の方へ押し下げてみてはどう?――または、自発的にふと起こり、そしてこんなことに気づくのです。あら私、あれをやらないでいた時よりも、私自身の力やエネルギーや筋肉に、ずっとよく繋がっているわ。(と、こんなことを書き連ねていると、私がひとつのアーサナに何時間もかけていると思われないかと心配です!)

アラインメントを整え、体の言っていることを聞き、それに合わせて調整しながら練習する時、「今」と一つになっている、それがヨガなのです。アラインメントは、平静心のための乗物であり、平静心を見つける道です。そして一度それを一つのポーズで体験すれば、私たちはすべてのポーズで同じことにアクセスできます。経験は技に変わり、マットの上での他のどんなポーズにでも移し換えできる技となります。それは、マットの外でも同様に行えるのです。

体の知恵を聞く

私たちは、ヨガムドラーはヨガの象徴だと言います。頭(マインド・理智)がハートにより下がるからです。色々な意味で、体の知恵に頭を下げるのは理智なのです。知るということではなく、体験することにおいて、私たちには両者が必要です。マインドは、過去から未来まで、たくさんの知っていることに追いつこうとしますが、もし私たちが今を体験しているのなら、体と直観が、考えることの先に立っているようなもので、体験がマインドを導いているのです。すると、マインドは少しリラックスすることができるし、マインドは全ての仕事をやらなくてもよくなります。『自分のハラに聞け』というのは、そういう意味なのです。

判断を下すのが難しい時、私たちはよく、体に目を向けます。マインドは、ありとあらゆる混乱と未決定を生み出すでしょう。ちょっと腰を下ろし、考えるのを止めさせ、体の内を感じる、そうすると、ほんの数秒のうちに何が正しいか分かるというのはよくあることです。私たちが体に聞き、見て、そして感じようとする力を開発していけば、メッセージはもう微細ではなくなり、後から悔やむばかりでもなくなります。それは、私たちが生活に注意を向け、そして平静心についていく時に、すぐに使える知恵になるのです。

ジェイミ・マカーティ
クリパルヨガ教師、ピラティス教師、アメリカエクササイズ評議会の個人トレーナー。
ジェイミは、人間科学(解剖学、生理学、身体運動学)の知識と、自分本来のポーズを発見するためのヨガ及び自己に関する知識とを結びつけ、研究課題としている。

[クリパルセンター発行 YOGA BULLETIN 2009年夏号からの抜粋]

2017-07-10

カテゴリ: Kripalu Newsletter

 

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