Kripalu Newsletter - マタニティヨガのティーチングのための6つのコツ

マタニティヨガ・ティーチャートレーニングのディレクターであるステイシー・シーバートが、マタニティヨガを指導するための6つのコツをお伝えします。

とある平日の午後、ヨガのクラスの用意をしていると、生徒たちが部屋に流れ込み各自マットの上で準備を整え始めます。そしてそこには、一目でそうとわかる妊娠中の女性がマットを広げています。

ヨガの生徒の70パーセント以上が女性です。それを踏まえれば、あなたのティーチングのキャリアの中でこのような経験をした(あるいは今後する)のも理にかなったことです。その時、どうしますか?慌てますか?無視しますか?教科書に書いてあるのようなモディフィケーションを教え(してはいけないあらゆることを伝え)、どうにかなることを祈りますか?

教師達からよく耳にするのは「怪我をさせたくなかった」ということ、そして「赤ちゃんを傷つけてしまうかもしれないのが怖かった」ということです。幸い妊娠中の体は強く、これからママになる人をクラスに迎えるためのツールはとてもシンプルです。ティーチャーとして意識を集中させながら、妊婦さんをサポートする方法をご紹介しましょう。

ヨガのクラスの終わりに、どのように感じていたいですか?
落ちついて、グラウンディングしていて、より開かれ、バランスがとれた状態、そうですよね?妊婦さんにとってもそれは同じです。ですから、動きと呼吸、筋力の強化とリラクセーションを組み込みましょう。いつもと同じことです。

自分の体を信頼するようなメッセージを呼び起こさせましょう。
私たちは多くの場合、居心地の良さや問題を解決するためのなんらかの方法、そして「正しく」行っていることの認証を、自分の外側に求めます。生徒たちそれぞれが探求し、クリエイティブになり、緊張と弛緩といった感覚に好奇心を持てる場を提供することで、妊婦さんが自分の体の動かし方を知っていることを信じられるような場を同時に作ることができるのです。これは、その人の出産の体験がどのようなものであろうとも、分娩時や母としてのあり方を支える力強いメッセージとなるでしょう。

まずは骨盤です。
骨盤を意識することは、どの体にとっても有益です。戦士のポーズII、スクワット、女神のポーズ、鳩のポーズ。渋滞の中あるいはNetflixを観ながら、そしてデスクワークをしながら座り続ける私たちの西洋的な文化において、骨盤を意識することは特に重要なのです。骨盤を回したり傾けたりすることで臀部を動かし、骨盤底筋を伸縮させ、赤ちゃんが適切な胎児のポーズを取るためのスペースを作るのです。

呼吸を促しましょう。たくさんの呼吸を。
例えば困難なことやストレスになることがあると、顎を噛み締めていませんか?もし生徒たちに息を吐きながら「ハーッ」と声に出すように促してみるとどんなことが起きるでしょうか?顎は柔らかく下方に緩みます。歯と歯の間には空間が生まれ、さらに嬉しいことに緊張した肩も柔らかくなります。もっとも難しいポーズの最中に体の緩める方法を教えることは、出産だけでなく人生において非常に重要なことです。顎の筋肉を緩めることは、骨盤底筋を緩めることにつながります。下にあるものは 上にあるものの如し。

筋力の強化を促しましょう。
妊婦さんにおすすめなのが腕立て伏せです。車のチャイルドシートは重いですからね。他の生徒がプランクポーズからコブラやアップドッグに移行するタイミングで、妊婦さんには、プランクポーズのまま膝を下ろし、肘を肋骨に沿わせ、腕立て伏せの力強い呼気のタイミングで赤ちゃんを包むように体を下ろすよう促しましょう。

リラックスすることを促しましょう。
ハードな練習を体に染み込ませるために十分な時間を取ります。完全に手放すために、シャバーサナに少なくとも10分かけましょう。左向きに横になってもらい、ボルスターで骨盤のバランスを整えます。この時間を惜しんだり、焦って進めようとしないでください。休息に必要な時間を十分に取りましょう。

ところで、これまで私が「してはいけないこと」に言及していないのにお気づきかもしれません。実はこれは意識的にしていることです。妊娠中でも「できる」様々な素晴らしいことに意識を向けながら、ママのいるヨガクラスを教えることができます。ちょっとした時間で大きな違いを生み出すことができるのです。ネガティブな「してはいけない」というメッセージの代わりに、ぜひたくさんの有益で素晴らしい選択肢に意識を向けてみてはどうでしょうか?覚えておいて欲しいのは、妊婦さんは壊れ物でもなければ、病気でも弱いわけでもないということです。

彼女の応援団になりましょう。その日あるいはその週、彼女がこのような方法で心身を養うことのできる唯一の時間が、あなたのヨガクラスの時間なのかもしれません。彼女は強く、周りに支えられ、そして感謝されているということに気づかせてあげてください。


Stacy Seebart(ステイシー・シーバート)
E-RYT500、RPYT、Bloomaマタニティヨガ・ティーチャートレーニングのディレクター、マッサージセラピスト。
ステイシーは、Bloomaのオーナーかつ創設者のサラ・ロンゲーカーとともに、マタニティヨガ・ティーチャートレーニングを指導しています。

[クリパルセンター発行 Practice 2016冬号からの抜粋]

2019-11-29

カテゴリ: Kripalu Newsletter

 

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