スタジオブログ - プロップを使おう(三浦敏郎)

最近のヨガではプロップという補助器具を使うことが多くなりました。ヨガマットはその代表的なもので、最近では100円ショップでも買えるほど一般的になりました。その他に、ブロック、ストラップ、ボルスターなどがありますが、さらに椅子や壁などもプロップとして使われます。

本来、このプロップの役割は、補助器具という表現にもあるように、ポーズを取る補助としてサポートをすることです。そう聞くと、ポーズをいわゆる「正しく」取ったり、修正するための道具で、柔軟性も筋力も体力もない初心者が使うものというイメージをする傾向にあると思います。

しかし、クリパルヨガにおいては、「正しいポーズ」とか、「修正すべきポーズ」という捉え方はしません。私たちは、それぞれが異なった体をもち、柔軟性も筋力も体力も違います。プロップは、できないから使うのではなく、いろいろな体験をして可能性を探るために使うのです。」

例えば、サイドストレッチで右手を床に置いて、左手を天井に伸ばす方法と、右手を床に置いたブロックに当てて、左手を天井に伸ばす方法とに優劣はありません。2つの違う方法があるだけです。それによって、それぞれに伸びたり圧迫したりする部位や感覚が変わり、2 つの違った体験が起きるだけのことです。

プロップに対するネガティブなイメージがあるなら、一旦、それを手放してみてください。学びとは、どちらが正しいのかという判断にあるのではなく、共に試してみて、それぞれの違いを体験的に理解することから生まれてくるものです。

いつもならプロップを使わないポーズでも、あえてプロップを使ってみてください。体の可動域がさらに開くかもしれません。たくさんの体験をすることで理解が深まり、新しい自分の力や可能性に触れることになるかもしれません。

三浦敏郎
1981年より神奈川県西部を中心にヨガ指導を始める傍ら、鍼灸院を開設。1991年、クリパルヨガの創始者、アムレット・デサイ師来日の際にスタッフ及び通訳を務めたことが転機となり、公認クリパル教師となる。気づきのプロセスを重視したフェニックス・ライジング・ヨガセラピーの要素を取り入れ、参加者の体験から学びを導き出すメソッドで数々の集中コースをデザインする。クリパルヨガ教師トレーニング・ディレクター。

[クリパル・ジャパン発行のニュースレター「Kripalu Sangha」 2016年秋号より引用]

2019-03-19

カテゴリ: スタジオブログ

 

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