ちょこっとヨガ講座 - 瞑想で心を集中させるのはなぜか?

心を集中させるというのは、集中する対象物に心を置くということです。言い換えれば、心が動かないように止めるということです。なぜ、そういうことをするのかと言うと、心を落ち着かせる(安定/静まる)ことと、気づき(観察力)を高めるためです。

普段、私たちの心は、次から次へといろいろなことを考えたり、注意散漫で、絶え間なく動いています。それによって、周囲で起きている変化や物事の本質に気づかないときがあります。

例えば、2車線の道路で2台の車が並列に走っていて、その1台を自分が運転しているとします。2台が同じスピードで走っている時に、相手の車を見ると止まっているように見えますが、自分の車を減速すると途端に相手の車がスピードを上げたかのように映ります。

どれほど周囲が変化していても、私たちの心が一緒に動いていると、相対的に何も変わってないように映るのです。自分の内や外でいろいろなことが起きていても、そのことに気づかないでいると、日々の暮らしは機械的になり面白くなくなります。瞑想で心の動きを止めると、ちょっとした些細な変化にも気づくことが多くなり、時には、その現実をより客観的にはっきりと観察できるようになります。自己観察に瞑想が役立つというのは、こうした理由があるからです。

以下は、日常でできる気づきの瞑想ですが、習慣化するととても役立ちます。

手順
1. 日常のいつでもどこでも構いません。思い出した時に、大きく息を吸って口から息を吐きます。
2. 数呼吸の間、何もしないでいます。(可能なら目を閉じる)
3. その間、自然に流れる呼吸や体の感覚、心の中に浮かぶ思いや感情に注意を向けてみます。
4. 数呼吸観察したら、日常の活動に戻ります。

たったこれだけの練習ですが、心が忙しくしている時には、一瞬ですが自分自身の状態を確認したり、その後の活動が少し新鮮に感じられたり、落ち着いて取り組めるようになるはずです。

三浦敏郎
1981年より神奈川県西部を中心にヨガ指導を始める傍ら、鍼灸院を開設。1991年、クリパルヨガの創始者、アムレット・デサイ師来日の際にスタッフ及び通訳を務めたことが転機となり、公認クリパル教師となる。気づきのプロセスを重視したフェニックス・ライジング・ヨガセラピーの要素を取り入れ、参加者の体験から学びを導き出すメソッドで数々の集中コースをデザインする。クリパルヨガ教師トレーニング・ディレクター。

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2017-07-15

カテゴリ: ちょこっとヨガ講座

 

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