だんだんと夏に近づいていくのを肌で感じるこの頃です。
「暑いなー」と口をついて出る時に私たちが感じているのは「熱」ですが、ヨガの姉妹であるアーユルヴェーダ(古代インドの健康のための智慧)では、熱はピッタの持つ代表的な質です。そこからみると、「熱」が高まる夏はピッタの季節で、「暑いなー=ピッタが増えてるなー」という図式になります。
そんな夏に旬となる食べものは、茄子や胡瓜、トマトなど体を冷やす作用のあるもの。うまい具合に、世界がバランスや調和のためにギフトを与えてくれているように思えます。アーユルヴェーダのセルフケアの基本も、この「熱が増えたら、冷ます」ように『反対の質を増やす』というシンプルなものなのです。そう考えると、より身近に感じられるのではないでしょうか?
ところで、私は以前インドでアーユルヴェーダを習っていた時、「あなたはピッタだけがアンバランスだ」と言われて驚いた経験があります。私は冷え性で寝付きが悪く、言葉数が多くて夢見がち、これらはヴァータの現れなので、てっきりヴァータがアンバランスだと思っていたからです。
その後、アメリカのクリパルセンターでアーユルヴェーダを学んだ時、同じピッタでも、アメリカ人と日本人では出方が違うのではないかと思い始めました。アメリカ人の友達で「私ピッタが多いの!」と言う人はほとんど赤ら顔で暑がり。知的で論理的、結果が出ることが好きで、負けず嫌い、という分かりやすいピッタさんでした。一方、日本人の場合、少し違って現れる気がします。外に向かってというより、内的に集中し、情熱を持ち、一生懸命になる、また自分に(または他人にも)厳しく批判的になるような現れ方が多いような気がします。
インドで指摘されたピッタのアンバランスも、内的な自分のあり方をみると、確かに・・・と頷ける所がありました。ドーシャの現れ方は個人差はもちろん、文化や気候などによっても変わるのでしょうね。
現在、Yoga of Lifeスタジオでは、アーユルヴェーダ・フェアが開催中(2016年6月時点)ですが、そこには食べるものから衣類まで様々な商品が並んでいます。例えば、カディタオル(木綿の布)は、通気がよく熱を遮る、またサラッとした手触りなど、ピッタと反対の質が多く、夏にぴったりです。また、食べものや衣服だけでなく、ヨガの実践方法についても、いつもの練習方法を少し変えて体験してみると、心身の涼しさ、明瞭さが増すかもしれません。
忙しくて頭がいっぱい、暑くて疲れがたまる、そんな時、いつものヨガライフにアーユルヴェーダを取り入れてみませんか?きっとヨガマットの上でも、それ以外の暮らしの中でも、自分に必要なことが手に入ると思います。
2016-06-23
カテゴリ: アーユルヴェーダの日々