アーユルヴェーダの日々 - もっと知りたい!アーユルヴェーダQ&A

アーユルヴェーダという古代インドの知恵が現代の私たちにどう役立つのか、自然との調和やマインドフルネスに親しむ人々の間で、少しづつ知られつつあります。

素朴な疑問やずっと気になってたことなどに、クリパルセンター認定アーユルヴェディック・ヨガ教師/アーユルヴェーダ・ヘルス・カウンセラーの三浦まきこが、お答えしていく新企画がはじまります。

今回は、ちょうど今の季節、春に関するご質問です。

Question

クリパル・ヨガ教師/ Yoga Lantern主催 西川真木枝さんより

「春のワクワク」、アーユルヴェーダではどう説明しますか?

春はアーユルヴェーダでは「カパ」の季節(重く、鈍く、動かない)と言います。が、それとは逆に、春は何かが動き出す季節だと感じる人も多いようです。
新学期や異動など、新しい出会いや変化も多く、慌ただしくなりがち。また自然界でも寒さがゆるんで鳥がさえずりはじめたり、ワクワクと軽く浮足立つような気分を感じる人も多いようです。
アーユルヴェーダではどう説明しますか?

Answer

とても素朴な質問ありがとうございます。同じように思う方もたくさんいるのではないかしら。

春、というのは面白い季節です。

まず、冬の間は、冷たく乾いてますが、春は寒さが和らぎ、梅雨に向かって徐々に、湿度も増してきます。氷点下の雪がサラサラで細かく軽いヴァータなのに対して、春の雪は水分を含んで固まり、重くなるカパを含んできます。アーユルヴェーダでは、冬は「風と空のヴァータの季節」、春は「水と土のカパの季節」というのはそのためです。

ここで、春のワクワクについて、考えてみましょう。
生命、には、植物でも動物でも、水と太陽が必要ですよね。五大元素でいうと、水と火です。だから、冬、ヴァータの風と空の質である、寒さや乾燥にさらされると命が危うくなる者たちは、土の中に潜んで春が来るのを待ちます。土は五大元素すべてを内包する元素ですから、中に空、風、火、水を含みます。

例えば球根が芽を出すのは、冬の土が凍った状態から、太陽の光と熱で温められ、氷が溶けて水気を帯び、泥の状態になるから。
春になるとエネルギーが動きだし、芽吹きの喜びに満ちた季節だと感じるのは、その原始的変化を、私たちの中にある五大元素(小宇宙)でも、同様に感じるからではないでしょうか。


一方で、季節の変わり目は、ヴァータが増えます。自然環境が大きく変化するからです。
特に冬から春への変わり目は、ヴァータからカパへの変わり目になるので、冬の間のヴァータの増加が著しいと、ヴァータの勢いが収まらず、非常にアップダウンのある不安定な時期になるでしょう。

そして人間界の春の変化、たとえば新学期や異動といったものは、どちらかというと、ヴァータを増やす急激な変化になりえます。それを「軽く浮き足立つ」と感じられる人は、もともとヴァータを多く持つ気質で、新しいことに順応しやすい人かもしれないです。

しかし、動き回った後には、体が重くなったり、眠気を感じたりすることも同時に起きるのではないかな、と思います。春を梅雨まで含む期間と捉えると、どうでしょうか?

春は面白い季節だ、というのは、カパが増えることと、季節の変わり目にヴァータが増えること、両方の影響を私たちは受けながら暮らしているからです。
本来自然界の春の変化は人間界のそれよりもっとずっとゆっくりですが、現代社会で生きる私たちは、ヴァータの時代を生きているので、もっと早く急激な動きの中にいるように思います。

春に、環境が変化する場合は特に、ゆっくりとした自然と調和するリズムに戻るチャンスを作るといいです。

ただ、ヴァータとカパは、ほとんど真反対の質をもつドーシャにあたるため、これが入れ替わるタイミングになる春は、自分にあったセルフケアを見つけるのが難しく感じるかもしれません。

春から梅雨に体調や気持ちがあまり良くないと感じる場合は、アーユルヴェーダ・ヘルス・カウンセリング(AHC)で、個別に処方箋を相談してみると、今の自分の状態がわかり、現実的なセルフケアの方法が見つかります。

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三浦まきこ
2004年にヨガ指導を始め、2005年退職と同時に渡印、インド政府公認シバナンダヨガ教師養成コース修了。2005年に東京都銀座にMUKU STUDIOをオープン。徐々にクリパルヨガ教師のあり方に対する共感が強まり、2006年よりクリパル・ジャパンの経営に携わる。2007年に米国クリパルセンター公認500時間ヨガ教師トレーニング修了、山梨へ転居。2021年埼玉県日高市へ転居。2022年に米国クリパルセンター公認/National Ayurvedic Medical Association認定アーユルヴェーダ・ヘルス・カウンセラーとなる。 母、妻、ヨガ教師という肩書き以上に、女性である自分自身に正直に、リアルであることを大切にしながら、ヨガ指導やスタジオ運営に関わっている。

2024-04-05

カテゴリ: アーユルヴェーダの日々

 

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