朝、電車で片道2時間くらいを移動、騒がしい都会へ出かけ、1日中いろんな人に会い、早口で話した。その晩、夜中の2時過ぎに目が覚め眠れなくなった。頭の中でたわいのないおしゃべりが止まらず、一旦起きて居間へ降り、しばらく瞑想。「心のおしゃべり」はだんだん落ち着いて来て、再び眠った。翌朝、普通に起きて、決まったパターンの家事をこなし、冬だというのにぽかぽかと暖かい日射しのなか、子どもとゆっくり散歩。公園も散歩道も静かだ。家に帰る頃には、昨晩の心の大騒ぎは、どこへやら。人が違うみたいに落ち着きを取り戻していた。
これは数日前の私の実際の生活の一コマで、アーユルヴェーダでいうヴァータ(風の要素)の乱れの原因と症状、何によってそれを整えられるかが面白いくらい、端的に現れている。ヴァータは、移動、騒がしさ、早口で話すこと等で増え過ぎ、バランスを崩す。冬は、自然界にヴァータの要素である寒さ、乾燥が多いし、ヴァータそのものが最も不安定なエネルギーであるから、この時期、乱れやすさも倍増だ。そこで現れるのは、不眠症状。他に不安や肌の乾燥などもヴァータの乱れから来ると言われる。
そして、それを整えるのには、静けさ、パターンのある定期的な仕事、暖かさ、ゆっくりした動きなど。こうしたアーユルヴェーダの知恵は、机上の空論ではなく、本当に身に沁みてそうだ、と感じる。そして、簡単な絡繰りさえ分かれば、誰でも自分の心身の不調に自分で対処することも出来る。
このアーユルヴェーダの要素をヨガの練習にも、応用したのが「アーユルヴェティックヨガ」だ。ポーズの種類やポーズの取り方を、アーユルヴェーダの知恵をもとに提案する。ヴァータというエネルギーそのものは、よくも悪くもない。過剰になってバランスを崩すのを整える方法は、ヨガにもライフスタイルにも応用が出来る。年明けのワークショップで、その簡単なポイントを学び、体験して、ヨガの練習と日々の生活へ持ち帰っていただけたら嬉しい。
2010-12-06
カテゴリ: アーユルヴェーダの日々