不安や恥ずかしさを感じた時、思わず肩を縮めたり、前屈みになってしまうことはありませんか?
もし、自信を持つことを心から望むのであれば、ハートと胸を開くヨガのポーズを試してみてください。可能であれば5分間そのポーズに留まり、それから更に長いホールドへと入っていきます。
このプラクティスを毎日、2週間続けて、どんな風に感じるか見てください。また、そのポーズに入っている時に、自由な気持ちを感じていると想像してみてもいいかもしれません。そして、一日を始める時には、自信に満ちて、大地にしっかり立っていることを想像してみてください。あなたの体は変わり始めます。あなたのマインドと考え方も、体に従っていくでしょう。
不安を感じた時の体に注意を向けてみる
不安や恥ずかしさ、何かから防御しているような気持ちになるのは、どんな時でしょうか?
私は今朝、混雑したバスに乗ってきました。そのバスには、一人分のシートが、自分のシート領域をはみ出して座っている二人の間にひとつ残っていました。私が彼らの間に座る時、シートに体を深く沈めるには、胸をつぶしながら肩を前にきつく狭めなければなりませんでした。ふいに、不安や恥ずかしさ、何かから防御しているような気持ちになりました。
そう感じる理由は特にないはずなのに、なぜ不安な気持ちが起きたのでしょうか?
心臓を守るために体を前屈みにする、これは、動物が防衛する体勢です。人間でも同様に起こる、一般的な反応です。私たちの体には、この自然な反応(言い換えれば無条件の反応)に加え、 “不自然な刺激”に対する自然な反応(今朝の私がバスで体験したような反応)という、刺激に対しての条件づけが出来上がってきます。
私には以前、不安や恥ずかしさを感じた時に肩が体の前に来るという体験がありました。今回のバスを例にとれば、私の体は、以前「不安」という否定的感情に繋がった時と同じような体勢になっていたのです。パブロフの犬がベルに反応して唾液を出すように、体が小さく縮んだ状態であると感じることで、脳は「私が不安を体験している」と反応し、実際に私は不安になったというわけです。
体と心はつながっている
体が小さく縮んだ体勢の時に不安を感じるとしたら、体が反対の体勢なら、何が起こるだろうと想像してみてください。
私はヨガのクラスで、しばしば、生徒に肩を背中に引き下げ、両手を背後でつなぐように促し、胸、そしてハートを開くようガイドします。
この体勢は、自由さを感じるとても力強いポーズになり得ます。なぜなら、本質的に、ハートを広げ、そして真実の自分を世界へ向けて開いている状態になるからです。
一方で、胸や肩が小さく縮んでいるような時は、文字通り「心臓」を、もしくは隠喩的に「真実の自分」を隠し去ろうとしていることにも気づくでしょう。
私たちは攻撃されやすいとき、自然界の動物達と同じように、肉体を動かします。たとえ、自由な気持ちをすぐには感じなくても、体は調整され、そしてより開かれ始めます。私たちは自由を感じ、安心して開かれていくのです。
このプロセスは、体と心のつながりを表すもので、古のヨガの教えと仏教において、そのつながりは真実であると知られており、最近の科学的検証(例えば、条件付けのコンセプトなど)でも明らかにされてきています。
アマンダ・ウィンティンク
ライフコーチ、2008年にクリパルヨガ教師トレーニング修了。2005年に神経科学と心理学の博士号を取得し、ライフコーチとして働き、自己観察、自己発展、自己実現のコーチングをしている。
[この記事は、YOGA BULLETIN 2009年秋号からのダイジェスト版です]
2016-05-20
カテゴリ: Kripalu Newsletter