自分が何を望んでいるのか、どうしたいのか、何が必要なのか。それは誰かに聞かなくても、自分自身がすでに知っているのであり、その知恵にアクセスする能力は誰にでもあるとヨガは教えてくれています。
では、どうやってその知恵にアクセスしたらいいのか?
その答えは、プラーナ体験を深めることにあります。
知恵は、論理的に引き出すものではなく、体験があって初めて直観的に引き出されるものです。だから、まずは、できるだけいろいろな体験をすることです。同じ一つのポースをするにも、一つのやり方に固執せずに違ったやり方でも試してみることです。そのことで、自分の体験は広がります。
では、プラーナ体験とは何なのか?
これは、一般に言われる体験と同じで、知的に理解することと違い、体を通して経験することです。体を通して経験するとは、まず感じることです。感じるとは、すでに起きていることを知覚すること。すでに起きていることとは、例えば、呼吸の流れであったり、肉体感覚だったり、心の感情や気持ちのことです。これは何もヨガの体験のあるなしに関わらず、誰にでも起きていることです。
これらは、体や心や呼吸という違った領域で起きていますが、その源は、すべてプラーナという一つの生命エネルギーであり、その同じエネルギーの違った表現でしかありません。
だから、体や心や呼吸を感じることによって、その源であるプラーナに触れていることになるのです。つまり、これがプラーナ体験なのです。「私にはプラーナは感じられない」と思うかもしれませんが、体や心や呼吸を感じているとき、すでにプラーナに触れているのです。
プラーナ体験は、何も特別なことではありません。誰にでも起きている自然なことです。ただ、普段は、起きていても意識していないだけです。クリパルヨガは、すでに起きていることに意識を向けていくヨガです。このプラーナ体験を深めることで、いずれ自己の源に触れ、そこから自分に必要な知恵にアクセスして、自分の人生をより健全に、豊かに、そして、自分らしく生きていく術を得ていくのです。(続く)
2010-08-30
カテゴリ: ちょこっとヨガ講座