アーユルヴェーダの日々 - アーユルヴェーダをひとさじ 〜纏う(まとう)ものを選ぶ〜

「今日、何を着ようかな。」
毎日繰り返し、頭の中で起きる問いではないでしょうか。

夏はピッタ(火と水)というドーシャ(特質)が増えます。ですから、ピッタの持つ「熱」と「湿り気」とは反対の、熱を冷まし、乾いた要素のあるものを増やすのが、夏を心地よく過ごすためのアーユルヴェーダの基本です。
例えば、直射日光を避け、日傘や帽子、布を使うのは、ピッタの熱や鋭さを和らげるためにぴったり。また、しっかり乾かした衣類、寝具を使うと、湿気が和らぎ、スッキリと過ごせるでしょう。そして、できるだけ天然の質の良いものを身につけること。もうひとつの「肌」のように、心身を守ってもらうためです。

ヨガや瞑想に親しむ皆さんは、これらの基本に加え、もう少し繊細に「今の自分の心身に合うもの」を選ぶこともできます。

周りの音や人の気持ちなどが気になって、不安だなと思う時は、夏でもヴァータ(風・空)が増えている状態。そんなときは、ヴァータの『荒さ』の反対にあたる「滑らかさ」を持つシルクを纏ってみる。柔らかな手触りは、ささくれ立つ心を和らげるきっかけになります。

暑くて、蒸し蒸しして、やること一杯でイライラする!という時は、典型的なピッタが増えすぎた状態ですから、ピッタの『オイリー』さの反対にあたる「サラっとした」麻が最適です。風通しよく、ラフな着こなしができそう。

また、体が重い、何もかも億劫、ジトーっとした気分のときは、カパが増え過ぎているのかもしれません。カパは冷たく、重く、つるつるしてるので、その反対にあたる『冷えすぎず、軽くて、少しごわごわした』木綿の肌触り、素朴さを感じて、ちょっと体を動かすと気持ちが晴れるかも。

天気や気温、見た目やTPOだけでなく、自分の感覚や気づきを元に、今日着るものを選んでみるのはどうでしょう? 素材や手触り、質にこだわったお買い物をするのも、また別の楽しみになりそうですね。

三浦まきこ
2004年にヨガ指導を始め、2005年退職と同時に渡印、インド政府公認シバナンダヨガ教師養成コース修了。2005年に東京都銀座にMUKU STUDIOをオープン。徐々にクリパルヨガ教師のあり方に対する共感が強まり、2006年よりクリパル・ジャパンの経営に携わる。2007年に米国クリパルセンター公認500時間ヨガ教師トレーニング修了、山梨へ転居。母、妻、ヨガ教師という肩書き以上に、女性である自分自身に正直に、リアルであることを大切にしながら、ヨガ指導やスタジオ運営に関わっている。

[クリパル・ジャパン発行のニュースレター「Kripalu Sangha」 2016年夏号より引用]

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2019-06-07

カテゴリ: アーユルヴェーダの日々

 

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